繰り上げ返済とは、住宅ローンの返済期間中に毎月の返済額とは別にローンの一部を返済することをいいます。
通常の返済では「元金+利息」が返済額となりますが、繰り上げ返済では支払った金額が元金の返済に充てられます。
利息は元金×金利で算出されますので、元金の多い返済初期ほど繰り上げ返済の利息軽減効果は高くなります。

繰り上げ返済の返済額軽減型・期間短縮型

繰り上げ返済には返済額軽減型・期間短縮型の2種類があります。
返済期間はそのままで月々の返済額を減らすか、月々の返済額はそのままで返済期間を短縮するかどちらかを選択できます。

借入額4,000万円、35年ローンのケースで計300万円の繰り上げ返済を行うシミュレーションを比較します。

①10・15・20年目に100万円繰り上げ返済を行う

・期間短縮型

繰り上げ返済のシミュレーション表(期間短縮型)

①当初利息:13,943,142円
②繰り上げ返済後利息:12,707,083円
③利息軽減額:1,236,059円
④短縮期間:2年8カ月

・返済額軽減型

繰り上げ返済のシミュレーション表(返済額軽減型)

①当初利息:13,943,142円
②繰り上げ返済後利息:13,339,496円
③利息軽減額:603,646円
④短縮期間:なし
⑤返済額軽減
10年目 128,436円→124,410円
15年目 124,410円→119,626円
20年目 119,626円→113,601円


②5・10・15年目に100万円繰り上げ返済を行う

・期間短縮型

繰り上げ返済のシミュレーション表(期間短縮型)

①当初利息:13,943,142円
②繰り上げ返済後利息:12,329,737円
③利息軽減額:1,613,405円
④短縮期間:2年11カ月

同じ300万円の繰り上げ返済でも早期に行うことで利息軽減効果が大きくなります。

・返済額軽減型

繰り上げ返済のシミュレーション表(返済額軽減型)

①当初利息:13,943,142円
②繰り上げ返済後利息:13,185,629円
③利息軽減額:757,513円
④短縮期間:なし
⑤返済額軽減
5年目  128,436→124,919円
10年目 124,919→120,894円
15年目 120,894→116,110円

期間短縮型・返済額軽減型どちらを選べばいいの?

上記のシミュレーションのとおり期間短縮型のほうが利息軽減効果が高いことが分かります。
月々のローン返済そのものが厳しいという場合には返済額軽減型を選ぶと良いでしょう。
少しでも家計支出を減らしたいという状況ならば、返済額軽減型を選択した方が家計の健全化につながります。

●期間短縮型に向いている人

  • 少しでも多く支払う利息を減らしたい
  • なるべく早く住宅ローンを完済したい

●返済額軽減型に向いている人

  • 将来の教育費負担に不安がある
  • 転職などで収入が減る予定がある
  • 毎月のローン負担を減らしたい

繰り上げ返済を行うときの注意事項

繰り上げ返済で最も注意が必要なのは、積極的に繰り上げ返済を行うことで手元資金がなくなってしまうことです。

繰り上げ返済後に「病気やケガでお金が必要になった」「お子様の教育費が予想以上に必要になる」「収入が減ってしまった」という場合に現金がないと大変なことになってしまいます。

ライフプラン、家計のことをよく考えて、繰上返済はあくまで余裕資金の範囲で行うようにしましょう。

一般的に繰り上げ返済には手数料がかかりますが、手数料の有無は借り入れている金融機関によって異なります。ネットから手続きをすれば無料といった銀行もあります。

元本の返済早期に繰り上げ返済を行うと利息軽減効果が大きくなりますが、住宅ローン減税の期間中に行うと控除額が減ることもありますので、繰り上げ返済の前に試算を行いましょう。

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投稿者プロフィール

ykfp
不動産業務歴20年のファイナンシャルプランナー(AFP)
宅地建物取引士・不動産コンサルティングマスター・賃貸不動産経営管理士・住宅ローンアドバイザー・2級DCプランナー(企業年金総合プランナー)

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