住宅ローンの金利は市場の金利と連動しています。
変動金利は一般的に短期プライムレートと、長期固定金利は10年国債の利回りと連動しています。
2020年10月現在、日本銀行が金融緩和を行っており、市場の金利は日本銀行の金融政策でコントロールされています。
住宅ローンの金利は日本銀行の金融政策で大きく左右されるということです。
日銀の行っている金融政策
2023年7月時点で、日本銀行がおこなっている主な金融政策は以下の2点です。
①金融市場調節によって長短金利の操作を行う
短期金利:日本銀行当座預金のうち政策金利残高に‐0.1%のマイナス金利を適用する。
長期金利:10 年物国債金利がゼロ%程度で推移するよう、長期国債の買入れを行う。
②消費者物価上昇率の実績値が安定的に2%を超えるまで、マネタリーベース※の拡大方針を継続する
※日本銀行が世の中に直接的に供給するお金の量
金融政策の操作対象は、基本的には「短期金利」であり、「長期金利」はマーケットが決めるというのが常識でしたが、その概念は捨て去らなくてはならなりました。
ちなみに資産購入プログラムは日本独自のものではなく、リーマンショック時には、アメリカ・イギリス・スウェーデン・ヨーロッパ(ユーロ)などで行われ、コロナウイルス感染拡大による経済対策としても採用されています。
いつまで金融緩和が続くのか
日銀の金融緩和によって低金利となっている住宅ローンですが、金融緩和は永遠に続くものではありません。
日銀は生鮮食品を除く「消費者物価指数」の前年比上昇率の実績値が安定的に2%を超えるまで、金融緩和を継続すると公表しています。
「消費者物価指数」の上昇率が安定的に2%を超えれば金融緩和は終了となり、住宅ローンの金利が上昇していく可能性があります。
金融緩和は突然終わらせると経済への影響が大きすぎるため、少しずつ縮小されていくと予測されます。
リーマンショック時に大規模な緩和を行ったアメリカでは2014年に1年かけて資産購入プログラムを縮小させ、2015年12月から徐々に政策金利を上げていきました。
2018年12月まで9回の利上げを行い、0.25%だった政策金利を2.5%まで上昇させています。
昨年は世界的に物件上昇率が10%程度まで高まり、アメリカ(FRB)、ヨーロッパ(ECB)で大幅な利上げが複数回行われています。
金利変動のチェックポイントは
①日銀金融政策決定会合
②「消費者物価指数」の上昇率
③国債金利の推移
④展望レポートなど日銀の調査資料
変動金利でローンを借りている人は、上記をチェックして金利変動に備えておきましょう。新聞などに要約記事がでていますが、各新聞社の意見などが反映されていることがあるので、専門用語があり読みにくいかもしれませんが、元の資料を確認することをお勧めします。
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不動産業務歴20年のファイナンシャルプランナー(AFP)
宅地建物取引士・不動産コンサルティングマスター・賃貸不動産経営管理士・住宅ローンアドバイザー・2級DCプランナー(企業年金総合プランナー)
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