借入可能額と返済可能額
借入可能額の計算方法
銀行は住宅ローンを貸すときに借りる人の収入から借入可能額を算出します。
その時に使うのが返済比率(年収に占める住宅ローン返済の割合)です。一定のストレスをかけた金利(審査金利)を用いて住宅ローンの返済額を算出して、その返済額が年収に占める住宅ローンの割合から借入可能額を算出するのです。
計算例は以下の通りです。(金融機関は、住宅ローンの審査金利や返済負担率の上限を公表していません)
税込み年収600万円×35%(返済比率)=210万円(年間返済可能額)
借入可能額 210万円÷12=175,000円(返済可能月額) 175,000円÷4,133円×100万円≒4,230万円
※審査金利3.5%で100万円を35年借りた場合の返済額:4,133円
以上のように銀行は借入可能額を算出します。数式に当てはめて計算をしているだけなので、一般的に銀行の審査では各家庭の返済能力は加味していません。
銀行が貸してくれるということと返済ができるということは別の問題ということになります。
返済可能額
無理なく返せる住宅ローンの金額は返済比率が25%とか、年収の5~6倍などと言われますが、あくまでも目安に過ぎず、当てにならないと思って良いでしょう。
当たり前の話ですが、無理のない借入額は家族ごとのライフスタイルによって異なります。
「基本生活費」「教育費」「老後資金」とのバランスの上で決める方法が安心です。
そのためにはライフプランシミュレーションを行い家計を可視化し、毎月無理なく支払える住宅費を算出します。ライフプランシミュレーションはFP協会のホームページから作成できますが、より精度の高いものを作るならファイナンシャルプランナーなどの専門家に依頼します。
日本FP協会「便利ツールで家計チェック」
将来的に子どもの成長によって学費等の支出が増えたり、年齢によって収入減がある場合などのケースでも返済が困難にならない返済計画を考えましょう。
変動金利を選択するなら金利上昇によって返済額が増えるケースも試算しておくと良いでしょう。
住宅の維持費も考慮
不動産を購入すると必ずかかる維持費があります。固定資産税などの税金、火災(地震)保険料、マンションであれば管理費と修繕積立金がかかります。
住宅は定期的に修繕をしなければ寿命が縮んでいきますし、設備も古くなれば故障することもあります。アットホーム(株)の調査によると戸建住宅の平均築年数36.8年で修繕費の平均総額532.1万円というデータもあります。
こうした費用も考慮したうえで、毎月いくらなら無理なく返済ができるかを検討しましょう。
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不動産業務歴20年のファイナンシャルプランナー(AFP)
宅地建物取引士・不動産コンサルティングマスター・賃貸不動産経営管理士・住宅ローンアドバイザー・2級DCプランナー(企業年金総合プランナー)
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